Asahi's notebook

大麦小豆二升五銭

アボカドをつまみにする話

 アボカドの話をしよう。

 

 最近はほとんど買い物のたびにアボカドを手に取っている気がする。数週間前にイギリス全土で始まったquarantine(外出制限)の影響で、飲食店は軒並み休業になってしまった。開いているのは食料品店、医療品店、こちらではコンビニの役割も兼ねている郵便局。

 ジムも閉まっているから運動をしたい人は公園でジョギングなどしている。ちなみに、日々の適度な運動は政府のガイドラインでも「必要不可欠な外出」に含まれているから、皆、遠慮などしない。このあたりがこの国の合理主義の、なかなか味わい深いところだと思っているのだが、それはさておき。

 一部のカフェなどは持ち帰りのみで営業していて、たいへんありがたいのだが、残念なことに近所のパブには「take away only」の札は掛かっていなかった。では私たちは、生活に必要不可欠なアルコールを、どこで摂取すればよいのだろうか。もちろん、食料品店で購入するほかはない。ビールなんてパンの代わりくらいに思っていそうなハイランダーの末裔たる酒飲みたちはいざ知らず、私は酒の隣にはつまみを欲する日本産の酒飲みである。そこでアボカドの話になる。アボカドの可能性に、目を開け。

 

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アボカド ー クスノキ科ワニナシ属

 

 アボカドをそろそろ食べ頃かと割ってみたらまだ若い、ということはそう珍しくないが、火を通してしまえば関係なくなる。系統としてはバナナやイモ類に近い食感のものだから当然、加熱調理にはよく合う。そしてこの、火を通したアボカドの濃厚な味わいがまた、酒に合う。

 ひとつめ。ニンニク、塩、胡椒、お好みで鷹の爪少々を加え、油でさっと炒める。オリーブオイルでもよいし、私は動物性の脂を使うのも好きだ。仕上げに醤油をひとたらしして、焦がすのもよいかもしれない。

 ふたつめ。スライスしたアボカドを酢、めんつゆ、おろしにんにくで軽く漬ける。常温で30分。もう少し長くてもよい。漬けだれの味は上記をベースに、少し水で薄めたり塩、醤油などで加減をするとよい。これに片栗粉を付けて多めの油で揚げ焼きにする。後の処理が面倒だから、私はあまりたくさんは使わない。これがあまりビールに合うものだから、自宅で揚げ物をすることの億劫さが麻痺しつつある。

 

 ああ、アボカドこわい。