Asahi's notebook

大麦小豆二升五銭

月曜の夜は

 スコットランド北部、ハイランドにはかつて戦士たちがいたといいます。有名な民族楽器のバグパイプを演奏している、キルトを身に着けたひげ面のおじさん・・・というのは、典型的な「ハイランダー」のイメージでしょう(もっとも、イメージと史実の違いにはいつだって注意を払わなければいけません)。
 そのハイランドで16,7世紀あたりまで一般的だったブロードソード(シンプルな形状の片手剣)の教室に、念願叶って参加してきました。
 といっても、この教室の存在を知ったのは今年の春か、もっと前。エディンバラにきたのは夏なので、ずいぶんとかかってしまいました。
 
 実はこれにはちょっとした理由があります。この街に引っ越してくるにあたって、新しく武術のグループに参加するなら、まずは自分が主体となる定期的な稽古の場所を確保してからにすると決めていたからです。
 とはいえ別に教室を始めるといった大層なことではありません。ただ毎週決まった場所で私が興味のあることを勝手気ままに練習でき、他で稽古仲間ができれば気軽に誘って一緒に体を動かせる場を用意しておこうという考えです。
 
 純粋な受け手としての生徒であることと、「自らの道を歩んでいる人が、学ぶために生徒でもあること」は違います。その違いは趣味か職業かの別でもなければ、どのくらい技術・知識があるかの進度とも、本質的には関係がありません。当然、優劣があるといった話でもない。
 ただ欲している目標が、学んでいることがらの内にあるか外にあるかという目的の違いだけです。
 私が知りたいことはたまたま、外にあるようです。武術の体系だけではなく、その技術がどこに向かうために必要だったのか、その先人達の「目的地」の方を知りたい。
 
 そんな事情があって、そろそろ私なりに気持ちの切り替えを図るべき時期だと感じていたのでした。
 そのためのいわば儀式として、まずは自分で主催する練習場所の確保をしていたら、引越しのドタバタも相まってこんな時期になってしまいました。ちなみに今のところ、毎週「一人稽古会」が続いています。(ただ今週は、少し変化の兆しが見えています・・・!)
 
 まだかまだかと自分を抑えながらやっと行けた剣術教室では、とても刺激的な時間を過ごすことができました。これから毎週、楽しみです。