Asahi's notebook

大麦小豆二升五銭

ここにある

 整体の本、とくに体癖論を扱っている書籍で「上下型2種」の記述を読むと、たいていは決まり文句のように「ストレスで胃潰瘍を起こす」などと書かれている。この整体は巷では野口整体などと呼ばれているもので、体癖はその臨床経験と、おそらくは東洋の伝統医学の知見からまとめられた個人の体質・気質分類である。さて、その2種というのは私のことなのだが(体癖の自己診断はタイプによってはなかなか難しいらしいが、私の場合はほぼ間違いないと思う)、この胃にストレスが出るという記述だけは、さっぱり実感する機会がなかった。
 ところが、最近になって、生まれて初めて胃と思われるあたりが締め付けられるような感覚を覚えた。気軽に穴が開いてもらっては困るのだが、しかし、実を言うとそう悪くもない気分なのである。なぜかと言えば、それならストレスを受けていることが自分でも分かるからで、今まではそういった実感はほとんどないままに、皮膚の状態だけが勝手に悪くなっていたのだ。

 大げさに言えば、今までずっと行方不明だったものが、やっと手元に戻ってきたような気がしている。