Asahi's notebook

大麦小豆二升五銭

フェスティバル始まる

 夜、自室にいると街の方から破裂音が聞こえてきた。花火だ。
 窓から数百メートル先の城の方に目を向けると、夜空に鮮やかに燃える華が見えた。
 
スコットランドの首都、エディンバラのフリンジFringe201883日から月末までまるまる続く、古都の盛大な祭りが始まった。
昼過ぎに様子を見に大通りへと足を向けた。中心部に向かうにつれ、加速度的に増える人波。ざわめきに混じって、そこかしこからバグパイプ(ハイランドパイプス)の勇壮な音色が聞こえてくる。
さすがに初日だけあって、旧市街の城から宮殿までを繋ぐ目貫通り、ロイヤル・マイルは凄まじい人混みだった。数十メートルおきに路上演奏や屋台、パフォーマーたちがお客を楽しませている。
この有名な祭りには、通販のカタログのような分厚い公式プログラムに掲載されるイベントの出演者だけでなく、世界中から流しのパフォーマーやアーティストが集まってくる。路上演奏は地元民や互いの迷惑にならないよう、一定のガイドラインはあるものの基本的に自由。スペースを取る演劇や屋台は事前の登録が必要とか。
前述のバグパイプは国の伝統楽器だけあって年中街中にいるようだが、近くにいられると音量の小さい楽器の演奏者は困ってしまうらしい。なにしろ戦場で味方を鼓舞するための楽器だから、通りの一本くらいまたいだ先まで響くことも珍しくないのだ。

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ふらふらと歩いていくと、てかてかした目立つ和風っぽい衣装を着たアジア人の一団が目に入った。公演を終えて引き揚げていくところだろうか。見るとのぼりに演目名らしき単語がでかでかと書かれている。「仮想定規」。何の集団だろうか。ますますわからなくなった。
道端の屋台からは、肉の焼けるいい匂いが漂ってくる。お祭り価格なのはご愛嬌だが、こういう屋台には月並みなものもあれば、意外な掘り出し物もあったりする。今日は空腹でないのでパス。
祭りを眺めるのが意味もなく好きなので、あっちをふらふら、こっちをふらふらとして賑やかな空気をたくさん吸って帰った。

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家に帰ってから、駅前の観光案内所でもらった例の分厚いカタログを開く。ひとまず目当ては音楽ライブだ。
様々なジャンルのコンサートが目白押しだが、街中のポスターでも見かけたあのサイモン&ガーファンクルなど20日くらいぶっ続けで公演をやるらしい。これは今からでも、チケットを当たってみるべきか。