Asahi's notebook

大麦小豆二升五銭

List of folk sessions

・Edinburgh The Ensign Ewart Fridays 21:00 ― Sundays 21:00 ― ・York The Maltings http://www.maltings.co.uk/index.htm Tuesdays 20;00 ― The Three Legged Mare http://www.threeleggedmareyork.co.uk/ Fridays 21:00 – York Ceilidhs http://www.york…

12.

結果から言えば、私が探していたものはみつからなかった。 それが本当になかったのか、こちらのコンディションが終始低空飛行だったせいで気が付くことができなかったのかは、なんとも微妙なところではある。ただ私としてはもう済んだことなので、どちらであ…

11.先送り

私の恩人の一人に、数学者の森田真生氏がいる。 数学者の岡清が描いた世界に魅せられ、大学等の研究機関には所属せず独自の研究をされている。数学の研究成果を専門家だけでなく一般の人にも楽しんでもらえる場を作ろうと、数学の演奏会と題した講演を各地で…

10.逆向きの納得

さて、勉強が比較的多くの人にとってテストという競技のためのツールでしかないというのなら、それはそれでいい。学ぶことそのものが好きな人は勝手に楽しみ、試験で得られる肩書が必要な人はそれを手に、自分にとって大切なことに役立てればよいのだ。 ただ…

9.社会の外側を忘れたシステム

ただ結局のところ、そのような話はすべて外側の環境の問題でしかない。私にとって重要なのは、私が何を感じどのように学べるか、という一点しかないことも事実だった。私にコントロールでき得るのは、自身の側の振る舞いでしかないのだ。 だから私は、大学受…

8.本気で探れば楽しいのが当たり前

歩き方を変えることに取り組み始めた高校二年の夏から、私はみずからの動きが日々変わっていくおもしろさに夢中であり、日常のどんな動きからでもヒントを得るため、いつも身体の感覚を探ろうと試みていた。このような心理状態のときに、嫌だけれど上達のた…

7.学校の勉強

私の大学受験には長い時間がかかった。 普通なら目当ての大学に合格すれば終わりと言えるのだろうが、私が受験生のときに頭を悩ませた問題は、どう考えても個人の生き生きとした学びを邪魔しているとしか思えない受験システムと、それを否定しながらもきっぱ…

6.積み上げるより、足元を疑う

流儀や型を作った先人たちは実際の戦いの経験、もしくは身に迫った必要性からそれらを想像し工夫や研究を重ねることで法則性を見つけ出していった。そこで作られた体系・原理とは、生き残るために「考えられる限りこうせざるを得ない」という必然性に満ちた…

5.社会の内側化した技術

ここで少し武術の話に戻りたい。 武術とは、過去の人々にとっては文字通り命が懸かった、それこそ社会の外に独り放り出されて生き延びるためのギリギリの技術であった。もしくは戦場において相手を確実に殺傷するということだが、やはりここでも社会的規範は…

4.社会の外にある世界

私は大学では動物学を専攻していた。本気でその道に進んだ友人たちと比べれば遊びのようなものではあったが、卒業研究では野猿公苑のニホンザルを対象に観察を行った。 動物の群れには当然彼らなりのルールがあり、個体同士の間には親族や順位、仲の良し悪し…

3.ものさしそのものが変わるということ

新しく練習し始めた体の使い方は、それまでしっかりした良い動きの条件だと思っていた要素を、むしろ次々に否定していくものだった。腰や肩を回すなどして反動を付けることで勢いを得、接触する瞬間に筋肉に力を入れて相手にぶつける。 そんな当たり前に良し…

2.手探りの稽古

どうやれば出来るかわからないものを、ああでもないこうでもないと工夫するのは楽しいものだ。もちろん、そこには自発的な興味にもとづく探求であるという条件が付く。たとえどんなに好きなことであっても、強制されたり押し付けがましさを感じた途端に嫌気…

1.「古武術」との出会い

地元の道場で寸止め主体の糸東流空手を習っていた私が日本のより古い武術の世界に興味をもつきっかけになったのは、武術研究者の甲野善紀師の書籍を目にしたことだった。 高校二年生の夏休み初日、私は学校の図書館で武道や格闘技の本を探していた。当時は空…

黄色い悪魔

プディングと聞いて何を思い浮かべるでしょうか? 日本で目にする範囲だと、たいていの人はカスタード・プリンを思い出すでしょうか。 イギリスにはプディングと名のつくものが色々あります。今の時期だとまさにクリスマス・プディングですが、これは日本語…

Ever, never, maybe

12月の初め、午後4時。ヨークの街はほぼ日が暮れきる時間だ。夏は11時まで明るいが、冬となるとまあこんなもの。ほんの数日前のことである。 先日、引っ越しをした。新しい住居は春頃から学生向けの下宿としてオープン予定の建物だ。 現在はまだ大部分が工事…

西洋剣の手の内

こちらに来てから、せっかくなので西洋の古い武術がどのようなものか知りたいと思い、手始めに練習用の剣を購入してみた。片手持ちのごくありふれた、ゲームやマンガで目にするような「西洋の剣」である(通称:はがねのつるぎ)。樹脂製のもので多少刃は分…

日々の暮らしのように書くということ

小さい頃から物語が好きだった。小説、映画、マンガ、アニメ、ゲーム、音楽。媒体は何でもいい。それらを目にして、耳にして、自分もそこで描かれている風景の一部になりたいと、いつも感じる。どうにかして「そこ」に近付きたくて、絵や文章や曲を創ってみ…

文字と手の記憶

先週から語学学校に通っています。昨日はふと思い立って、10年以上ぶりにアルファベットの練習などをしていました。実は以前から、「こなれたアルファベット」が書けるようになりたいなあ、とは思っていたのです。 そんな折にここ数日で何度か、語学学校の友…

らせん階段の登りかた

ヨーロッパの古い教会や城などを訪ねると、らせん階段にでくわすことが結構あります。特に大きな城や大聖堂と呼ばれるタイプの建造物だと、高い塔が備え付けられていてTower tourなどと銘打って、時間を区切って登らせてくれるところも多いです。 高い塔の…

冬の日を思う

シェットランドに行く、という話をしたら、いいねえ、あそこは別の国だよ。今が一番良い季節だから、楽しんでおいで!冬のスコットランドはひどいからね……、という返事が返ってきた。ハイランドでのホストファミリーとの会話である。 そう、スコットランドは…

新鮮野菜とソーセージ!

水曜。マーケットの日。いつもより少し早く起きて、Jの運転する車で町へ向かう。このときにお世話になっていたのは、スコットランド北部にあるハイランド地方の主都にあたる、Invernessからほど近い個人農場。前日にたくさん収穫した野菜やイチゴ、育ててい…

イギリスの公共交通②

英国の交通手段、続きです。飛行機と鉄道については前の記事で述べています。 さて次はバスです。長時間になるとやはり疲れるので私自身は鉄道を使いがちですが、バスのメリットもあります。全般的に料金が安いこと、直前の予約でも鉄道ほど値段が変わらない…

イギリスの公共交通①

私が利用している英国国内の交通手段についてまとめてみました。旅行などで参考になれば幸いです。 まずは格安航空を含めた、飛行機の検索。 Skyscanner https://www.skyscanner.net/ 国内の移動でも距離がある場合は、電車やバスよりも安くて早いことが多い…

街を歩く

夜10時前。ニューカッスルの街をゆっくりと横切って、足の向くまま大学の構内へ。区画の角にあるQB House(喫茶店)でお茶を飲もうと思って出てきたのだけれど、遠回りするのもいい。雲が夕焼けの空を隠して薄青いような、少し夢の中みたいな色に染まってい…

シャベル術?

先週はガレキ運搬作業に精を出していました。最初の二日はシャベルを使う時間が多く、二日で5時間(以上?)くらいはやっていたかと思います。二日目の朝起きると左の前腕がちょっと張っていて、ものを掴む動きで負担がかかっていたのが分かったので、それも…

土建屋デビュー

今週はイングランド北部の某有名都市でホームステイをしています。いずれ詳しく書きますが、宿代や食費を出さなくてよい代わりに、その家で色々とボランティアをしながら厄介になっています。 今回でホームステイは3件目。昨日の夕方に到着し、今朝から昼に…

ラグビー発祥の地

Rugbyという町がある。名前から分かるとおり、スポーツのラグビー発祥の地だ。場所はイングランドの中部。私は滞在先の友人に車で連れて行ってもらったが、例えばロンドンからなら鉄道でも1時間半ほどで行けるようだ。市の中心部とその付近を歩いた限りでは…

Exeter

6月19日。現在お世話になっている場所から一番近い駅がAxminster。ここは小さな町だが、そこから40分ほど電車に揺られてExeterというという河沿いの街へ。 駅を出て道を一本曲がると、すぐに中心部の大通りに出られた。大学があるらしく、外国人の学生らしき…

弓と左右観

祇園の八坂神社の近くに、騎射の弓(日置流)が体験・練習できる道場があります。いわゆる弓道とは少し違って、座構えから横を向いて射る形式です。観光客も多く訪れる場所で、1セット16射で1000円、といったような形式です(先生が引き方を教えてくれ、アド…

伝統音楽フェスティバルのリストとか

6月あたりから、UKやアイルランドは一番美しい季節に入ります。6月・7月・8月の前半ぐらいまでが最高なのですが、8月の半ばにもなると「おい、夏はどこ行った!?」と言いたくなる気温の日もあったり。留学していた年のフラーの夜(というか明け方)は本当に…